【スギ花粉と日本】
なんで最近花粉の飛来量が急増しているのか。
もちろん今年の量の多さは、昨年度の天気などの影響もつよいですが、
実は、それ以上に深い理由があるのです。
戦後に大量のスギの植林が行われたのですが、そのスギがちょうど成長して大人の木になってきているため、
スギ花粉の飛散量も増加しているのです。
もともと、建築用の資材などのために戦後大量に植えられたスギの木ですが、時代は変わり、海外からの低価格なスギの木への
需要が高まり、日本のスギの木は切り倒されることなくそのまま花粉を撒き散らして嫌われる存在になり始めているのです。。。
最近の調査では、日本人の3人に1人、約3割が花粉症を発症し苦しんでいるのだとか。
【なぜ花粉症になるのか】
私たちの体は、自分の体を守るためにすばらしいメカニズム ”免疫能力”を持っています。
でも、それが、この花粉症の原因となっているのだから話はやっかい。
そもそも我々の体は、細菌などの異物(アレルゲン)が侵入してくると、それを排除しようとする「免疫」機能が備を持っています。
花粉症は、この免疫機能が過剰に反応した結果起こる症状。
①花粉が鼻、目、口に侵入。
②リンパ球がその異物の扱いについて判断。
③排除が必要と判断されると抗体が作られる
この抗体はIgE抗体と呼ばれ、原因となる花粉(アレルゲン)との接触を繰り返すごとにカラダにどんどんと蓄積されていきます。
それが、一定以上たまってしまうと・・・
④花粉症発症
となるわけです。
つまり、コップをイメージすればわかりやすいのですが、この抗体が溜まりかけている人たちは花粉症予備軍と呼ばれ、実はまだ発祥していない人もこの中に多く含まれていると思われます。
<豆知識>
ちなみに、このIgE抗体、昔は寄生虫などに反応するためわれわれのカラダの中にいました。
でも、近年社会衛星が保たれる中で、”きれい過ぎる”から寄生虫が減少し、IgE抗体の敵がいなくなったことからスギやヒノキの花粉がその”敵”の変わりになって反応されるようになった、という、なんとも皮肉な説もあります。
【スギ花粉の食べ物】
日本社会の発展の裏にはアメリカの文化を取り入れてきたということが大きな要因となっていますが、実はこれもアレルギーの発症を高めている原因一つかもしれません。
欧米型の食事スタイルが増えて、栄養のバランスを崩してしまっていることがアレルギー反応を起こしやすくする原因でもあるので、バランスのよい食事をこころがけましょう!
というわけで、花粉症にGood & BAD な食事をまとめました。
<良い食べ物>
■ビタミンA,B、食物繊維を含む食べ物
りんご
(さらに、りんごの水溶性食物繊維ペクチンには、アレルギー症状の原因物質を減らす効果あり!)
■粘膜を強くするムチンを多く含むもの
納豆、おくら、モロヘイヤ、山芋
■腸内環境を良くするたべもの
ヨーグルト、にがり、
■炎症を抑える働きのあるもの
しょうが、しそ、トマト、青魚(アジ、イワシ、サバなど)
(これは、ハウスダストなどで苦しんでいる人にもおススメの食材!)
<良くない食べ物>
■トランス脂肪酸をおおくふくむもの
ファーストフード、マーガリン、ショートニング
■過敏性を高める食品
ハム、ソーセージ
これらに多く含まれる亜硝酸塩などの刺激物質が原因
■ヒスタミンを多く含んでいるたべもの
ほうれん草・なす・タケノコなど
加熱すればOK
■セロトニンを多く含む食物。
バナナ・キウイ・パイナップル
加熱すればOK
■お酒類
アルコールを分解する際アセトアルデヒドが生まれ、末梢神経を刺激することでクシャミなどを悪化させてしまいます。
食べ物に関しては、簡単にまとめると、”ちゃんとバランスよく健康によさそうな食材を摂取すること”が大事なんですね。
【花粉症の最新治療法】
<レーザー>
大きく分けて2つあります
■花粉に反応する鼻内部の粘膜をレーザーで焼き、花粉に反応しないようにする治療
時間:1時間ほど(麻酔、レザー照射、アフターケアを含む)
ネダン:7000円(保険適応)
効果:60〜70%
メリット:多くの人に効果を実感。外側を焼くだけなのですぐにおわり痛みも少ない。
デメリット:1~2年ほどたつと、またもとの状態に戻る。においも多少気になる可能性あり。
<薬>
完璧な完治も期待できる治療が最近話題です。
「舌下免疫(減感作)療法」というこの治療法、
「舌にシダトレンの液を垂らして2分間放置した後、飲み込む」
これを毎日繰り返すという治療法。
データでは、の7~8割の人の症状が軽くり、完治した人もいるらしいです。
今年は、去年よりも数倍も花粉の飛来量が増えると予想されています。
もしまだ花粉症を発症していない人も、マスクなどをしてできるだけ花粉に接する量を日ごろから減らすことで、花粉症発症を遅らせることができます。
食事、生活習慣に新ためて目をむけ、花粉症な人もそうでない人も花粉に負けないカラダ作りを心がけたいものですね。