最近、些細なことでキレる、また自分のコントロールができない状態になる子供が増えているそうです。
確かに、テレビや雑誌でも問題として取り上げられることが増えている気がします。
5月18日放送のNHK「あさイチ」で「子供がキレる原因と改善方法」が紹介されていたのでまとめます。
【原因1:自尊心の低さ】
番組に出演した専門家によると、子供がキレる理由は「自尊心の低さ」。
自尊心が低いと、不満や不安があっても外に伝えられず、また喧嘩になっても外へ発散できないため、内側へエネルギーが溜まってしまいます。
これが爆発して「キレる原因」となっているようです。
自尊心を高めるには、「存在を認めてあげること」が重要。
そこで、自尊心を高める授業が小学校で行われていました。
<<自尊心を高める授業>>
◼︎ステップ1:短所を書く
授業では、まず「自分の短所を書き出させる」というところからスタート。
自分の短所を書くことを躊躇している子供もいました。
◼︎ステップ2:短所を長所に変える
ステップ2では、短所を長所として受け止めさせるため、ステップ1で書いた短所を長所に変える作業を行います。
例えば、
短所:負けず嫌い
→長所:意志が強い、一生懸命
短所:心配症
→長所:やさしい、慎重で物事をきちんと考えている
短所:落ち込みやすくてすぐに泣く
→長所:やさしい
短所:断れない
→長所:人を大切にしている
短所:口が軽い
→長所:相手のことをよく見ている、嘘がつけない
(上記例は、実際に授業で子供たちが考えていたものです)
◼︎ステップ3:短所が長所になって嬉しいと思ったことを発表する
「短所を長所として受け止めてもらえる嬉しさ」をみんなの前で発表することで、自分の自尊心を高めることに繋がります。
上記のような取り組みを行うことで、
「自分が嫌だと思う部分も受け入れてもらえるんだ」という考えが生まれ、自尊心を高めることができます。
<家庭でできる自尊心UP方法>
また、家庭で子供の自尊心を高めるためにできることもあります。
それは、積極的に存在を認め褒めること。
「あなたがいてくれてありがとう」
「お手伝いをしてくれてありがとう」
「だいすきよ(だきしめる)」
など簡単なことで良いそうです。
【原因2:脳の前頭前野の不活性】
脳の行動を司る前頭前野が発達していないと、キレやすくなるそうです。
調査によると、最近その前頭全野が不活性状態の子供が増えていおり下記のようなデータが紹介されていました。
子供の脳の前頭前野不活性度
1969年の調査:20%
最近の調査:43.9%
このデータを見る限りでも、最近の子供は前頭全野がかなり不活性な状態であることがわかります。
前頭前野がちゃんと機能していると、興奮状態で高まるアクセルにブレーキをかけれるようになるため、キレにくくすることができます。
<<1日10分で変わる!前頭全野アプローチ法>>
とある学校での取り組みが紹介されていました。
その取り組みは、
「週に3回、登校直後10分間だけ思いっきりグラウンドで自由に遊ばせる。」
という方法。
そう、これだけなのです。
実際この取り組みで、その学校の教諭は「子供のトラブルが減った。」と感想を語っていました。
この取り組みにより、前頭全野の不活性率が数値としても減ったと証明されています。(下記参照)
取り組みが行われた学校の子供の前頭前野不活性度
2007年: 約48%
2012年: 約20%
さらに、学校の帰りの会で「生徒に朝やりたい遊びを決めさせる」という取り組みも行ってました。
これは、自分が楽しいと思うことをやらせる方が脳に良い影響が高まるからだそうです。
前頭前野活性化のポイントをまとめると、
「朝」、「体を動かす」、「主体的に楽しむ」
の3つです。
<家庭でできる前頭前野活性法>
家庭でも簡単にできるオススメの活性化方法が紹介されていました。
それは、「くすぐる」こと。
朝子供をくすぐってあげるだけで前頭全野が活性化されやすくなるそうです。良いスキンシップにもなりますね^^
【原因3:セロトニン神経の未発達】
セロトニンには、攻撃性を抑える働きがあります。セロトニンの神経がうまく発達しない場合、「攻撃性が高くなる=キレやすい」という状態になる確率が高まります。
<セロトニン神経のはたらきを高める改善方法>
早起きをする
セロトニン神経の働きがもっとも高まるのが朝で早起きをすることが大切。
また、朝日を浴びることで、さらに神経が活性化されるんだとか。
番組では8割の患者さんがこれだけで改善されたとのことでした。
この、
「早起きをし朝日を浴びる。規則正しい生活をする。」
というセロトニン神経への治療法は、何歳からでも効果があるそうです。
大人になってもやるべきな人、たくさんいますね(^^;;
また、深い睡眠もセロトニン神経を整えるのに大切。
ある調査によると、切れやすい子供は夜寝る時間が0−1時の間と比較的遅い子が多いようです。
要するに、健康な生活のリズムがそのまま脳の健康にも影響するといったところでしょうか。
また、最近オープンスペースということで「子供が家で一人になる場所をあえて作らない」家の作りが流行っているそうですが、実はこれも悪影響を及ぼすことがあるのだとか。
子供がキレそうになったとき、一人になって落ち着ける「隠れ家」を作ってあげることも大切だそうですよ。
番組では、これでキレやすさが改善された子供も紹介されていました。
さらに、暴力的にキレやすい子供は心の中では、
・キレることを止めて欲しい
・話を聞いて欲しい
・SOSを伝えている
と考えていることも多いそうです。
実は、キレている子供も苦しんでいるんですよね。
自分の子供の状態が不安な場合は、一人で抱えず、自治体などの専門家にアドバイスを仰ぐことも大切です。
以上、いかがでしたか?
番組で紹介されていたことは、どれも想像以上に簡単にできることばかり。
こう考えると、現代社会は、当たり前の事ができていない時代になっているのかな。
子供は環境を選ぶことができません。
ちゃんと周りの大人がサポートして健全な心を育ててあげたいですね。
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