今年から新卒採用のスケジュールが後ろ倒しになり、3月1日から採用広報活動が解禁となりました!!
「イェ~イ!!」
採用期間短くなれば、学生も遊べる時間増えるし、企業も短時間で採用終われるから、皆HAPPY!
とは、もちろんいかず、様々なところで”ひずみ”が生じてます。
まず今回のこの新卒採用スケジュールの後ろ倒し変更についてなんで行われることになったのか。
なぜ後ろ倒しになったのか
もともとは2013年4月に行われた「経済界との意見交換会」から始まりました。この会で政府から要請を受ける事となった日本経済団体連合会が中心となり作ったのが「採用選考に関する指針」というもの。
これが、2013年6月「「日本再興戦略」閣議決定されたことから各企業へ、政府主導の要請として各企業に伝えられました。
【さて、その中身とは】
■2015年度卒業生
採用スタート:前々年12月解禁
面接~内定までの期間:4月~10月迄の7ヶ月間
■2016年度卒業生
採用スタート:前年3月解禁
面接~内定までの期間:8月~10月迄の3ヶ月間
採用スタートが3ヶ月後ろ倒しになったことで、どこに一番大きくひずみが出るかというと、以前は面接や筆記試験が4学年のの4月からスタートしていたのが、今年から4学年の8月頃からスタートする企業が増え、面接から内定までの期間が3ヶ月になったこと。この期間には、もちろん適性テスト、SPIなどの一連が含まれます。
でも、一体なぜ政府が後ろ倒しにしたのか。その狙いは、一言で言うと「学習時間の確保」。
(以下首相官邸からのメッセージ)
「就職活動の早期化・長期化は、学業に専念すべき学生自身の負担になるばかりでなく、学生の成長がもっとも期待される卒業・修了前年度の教育に支障を来し、結果として学生の学力の低下が懸念されます。
就職・採用活動開始時期を変更することで、学生が落ち着いて学業等に専念できる環境が整備されることが期待されます」
企業が無視してる問題
しかしながら、実態は違います。
2014年12月に、上場企業、未上場企業約250社に向けて行ったアンケートによると、約8割が政府からの指針に従わず、7月以前から採用面接をスタートする予定らしいのです。
景気も約6~9年程前の不況のときと違いだいぶ回復傾向にある時代。
企業もこれからの成長に向けて、余裕のあるこの時期に少しでもいい人材を確保しようと必死になっているのでしょう。
でも、一体どうやったらいい人材を確保できるか。
それは、どんなすばらしい試作をしようとも、やっぱり「早く確保すること」は、何よりも大事な事。
ここに、民間企業のスピード感と、国の意識のギャップを感じます。
民間企業が、生き残りをかけいかに先に良い人材を確保するかで争いあっている中、特に給与や争いの心配もなく税金をたくさんもらって生活している政府上層部や経済団体関係者からの通知で、突然
「学生の勉強時間を確保したいから、採用遅くしろ」
と言われても、
「そんなの聞いてのんきにやってたら、会社がつぶれて、食いっぱぐれてしまう。政府は一体何をいいだしてるんだ」
といった心境になるのではないかと思います。
(※個人的には公務員さんを批判するつもりありませんがww)
学生にとっての問題
「学習時間をもっと取れるように」
そんな狙いで政府主導で始められてこの後ろ倒し採用。
でも、実は逆効果になっていると言われています。
<インターンシップが採用に再び使われだす>
これ、学習させようとする政府の狙いとはま逆の効果を生み出します。
というのも、優良企業のインターンは、それだけでも競争率が高いから。
インターンシップのポジションを獲得するためにとる時間、またインターンになったらなったらで
そのインターン時間に費やす時間が増え、学業に回す時間は確実に減るのです。
<リクルーター制度の強化>
リクルーター制度とは、企業が「優秀だな」と判断した人材にマンツーマンで社員を付け、入社してもらえるよう選考期間を伴走する制度です。
より優秀な人材を早く確保するため、企業は様々な施策をせざる終えなくなります。
ちなみに、ある学生に対するアンケートによると、約70%が「たとえ時間ができても学業意外に費やすかはわからない」と答えています。
これ、ある意味当たり前の結果で、楽しい盛りの大学生が時間ができたら、何をすると思いますか?
ほぼ、みんな遊ぶかアルバイトに費やすと思います。
というか、むしろいろいろな人と遊んだりアルバイトをすることで学校では教えてもらえないけど本当はとても大切な社会に出てからの能力を若いうちに養うことができるので、個人的にはこっちのほうが良いと考えてます。
就活する前に知っておきたい。生きるために必須な10のスキル - lyricstravel
ちなみに、最近の学生が会社を選ぶ基準は
<文系男子>
1、仕事ガ面白そう
2、信頼できる企業
3、社風が良い
4、将来性がある
<文系女子>
1、信頼できる企業
2、社風が良い
3、仕事ガ面白そう
4、将来性がある
<理系男子>
1、仕事ガ面白そう
2、社風が良い
3、信頼できる企業
4、将来性がある
<理系女子>
1、信頼できる企業
2、社風が良い
3、仕事ガ面白そう
4、将来性がある
だそうです。
「4、将来性」が皆そろってくる感じが、なんだか挑戦的ではなく安定を求めている「ゆとり」的なイメージを感じたのは私だけでしょうか。
また、これから社会人になるみなさん。
経済学者さんいわく、
■自己分析
■企業を知る
ことが、就職の鍵になるそうです。
これから、社会という枠の中で、我慢もたくさんひつような場に身をおく若者よ、
たとえ国がどんな試作試みようとも、とりあえずこの日本という国にいる以上、その中でいかにうまく動くかがこれから社会で賢く生き残る第一歩となってきます。
ぱっとしない政治や社会に文句を言いたくなる気持ちもあると思いますが、とりあえず、やるしかないのです。
しっかりと自分の道を探していってくださいね。