2007年に公開されたアイルランド映画「ONCE ダブリンの街角で」( Once)がヒットし、その名を世に知らしめたジョンカーニー(John Carney)監督。
この映画、制作費は(米ドル150,000程でしたが、、映画は大成功し、サウンドトラックはグラミー賞にノミネート、サントラにも収録された曲「Falling Slowly 」は第80回アカデミー賞歌曲賞を受賞したほど話題の音楽映画となりました。
映画の中で彼のプロデューする音楽はまさに極上。
なぜ、こんなに心に響く曲ばかりを集めるられるのか、彼の感受性やセンスの良さが映画と曲から染み込んできます。
さて、そんな彼が2013年にリリースし、現在日本も一部の映画館で公開されている映画「はじまりのうた」。
その名のとおり、歌がキーとなる映画。
実は最初のタイトルは英語で「Begin Again」ではなく「Can a Song Save Your Life?」つまり、「音楽は人生を救えるか」でした。
出演は、キーラ・ナイトレイと、なんとその彼氏役に「Maroon5」のアダム・レヴィーンという、とってもレアな組み合わせ。
この映画で、キーラは貴重な歌声を披露しています。
ノラジョーンズに近い癒し系の歌声で、映画パイレーツ・オブ・カリビアンで演じた強気な女性のイメージとはまったく異なる女性らしいやわらかさが味わえます。
もちろんアダムの歌声は、言うまでもなく極上。
この映画のキーとなる曲”Lost Stars"を最後のクライマックスで歌っている時のアダムの歌声は、鳥肌もの。
<ストーリー>
NYを舞台に、歌を通じてであった落ちぶれかけの音楽プロデューサーと、恋に破れた女性の心の交流を通して、
二人が自分らしさとキャリアを取り戻していくストーリー。
その中で、歌が何よりも映画に味わいと深みを加えています。
このサウンドトラックは、買って損なし!
英語の歌って、日本の歌に比べてあまり歌詞に深みがないといわれますが、私はそうは思いませんし、それがまさに
あらわされているのがこの映画。出てくる曲のメロディー、歌詞ともに、映画に引き込まれるすばらしい導線になっています。
”Lost Stars"を深く味わいたい方はコチラ↓
思春期から大人になった頃にじっくり味わいたい歌ーAdam Levine - "Lost Stars" - lyricstravel
さて、ここで本題。
ジョン・カーニ-監督が送る音楽を味わう最強のラブロマンス映画「はじまりのうた」、英語名「begin Again」。
実は、「Can a Song Save Your Life?」が最初に仮でつけられてたタイトルだってご存知ですか?
そのタイトルをなぜ変えたのかという質問に対し、ジョンは、
“Can a Song Save Your Life?” was never really an official title of the movie. It was something I wrote down to remind me of what I should be writing, a way to remind myself of a main theme of the movie. Mainly, does art have a whole other job in life? Not just for entertainment or to kill time, but it’s actually there to help us make the biggest decisions of our lives.
『「Can a Song Save Your Life?」は、実はタイトルとしてつけてたものじゃないんだ。自分自身にどんな映画を描くかという本質について忘れさせないためにつけたもので、こうやって自分自身に言い聞かせてるんだ。
”芸術ってまったく違う意味が人生においてあるのか?”ということをね。
芸術って、ただエンターテイメントや時間を潰すために存在してるんじゃなくて、人生において大事な決断を決める時に背中を押してくれるような存在じゃないのかな。』
と発言しています。
ちなみに、タイトルを変えた理由は、
『このタイトル“Can a Song Save Your Life?(音楽で人生は救えるか)のままだと、見る人が先入観を持って誤解しちゃうし、自分自身も映画監督としてこのような質問に答えを出す映画監督になりたくなかったから』
だそうです。
まだ見ていない方、ぜひ映画館でジョンカーニー監督の世界にどっぷり浸りながら、ご覧ください。