2019年、2020年と続けて、アメリカで最も売れた本「ザリガニの鳴くところ (原題:Where the Crawdads Sing)」。
全世界で累計1500万部を売り上げた同作は、ディーリア・オーウェンズが2018年に出版した小説です。
ご存知でしょうか。
半年前くらいに読んだのですが、いまだによく思い出す小説です。
「ザリガニの鳴くところ (原題:Where the Crawdads Sing)」は和訳もされ、2022年には、敏腕プロデューサーとなったリース・ウィザースプーンの元、映画『ザリガニの鳴くところ』(原題:Where the Crawdads Sing)として映画化されました。
▼リース・ウィザースプーン(映画キューティーブロンドの主役さんです!)
監督はオリヴィア・ニューマン、主演はデイジー・エドガー=ジョーンです。
▼デイジー・エドガー=ジョーン。かわいい。実際に、小説主人公のカイアも美人という設定です。
小説は、最初は母親や兄弟からは愛されているけれど、父親の問題で苦労の多い少女の成長物語かなと思って読み進めていましたが、読めば読むほどに深いのです。
- 人間が生きていく上で、心に本当に必要なのはなんなのか(子育てでも考えさせられること、愛なのか、教育なのか、周りの環境なのか…)
- なぜ人は差別をしてしまうのか
- 差別をされた人はどうなるのか
- 差別の中でも愛の手を差し伸べる美しさ
- 人を愛する理由とは?
- 誰も悪から救ってくれない場合、悪への自己防衛は罪になるのか
- 正義(justice)とは何か
- 本当の正義はこの世にあるのか
- そして、孤独ながら自然を愛し愛されることで強い心を持った少女の心の繊細な動き
など色々と読んでいる間、そして読み終わった後も数日間、まるでカイアの住んでいる世界にまだ体の一部が置かれている浮遊感が残る、後を引く物語です。
この作品の魅力は、売り上げ数にも現れていますが、アメリカ人の心を多くつかんでいます。
映画化を実現したリース・ウィザースプーンだけでなく、著名人にもこの小説「ザリガニの鳴くところ (原題:Where the Crawdads Sing)」のファンは多く、個人的に大好きなテイラー・スイフト(Taylor Swift)も、実はこの原作の大ファンだそうで、自ら映画化にあたり主題歌を作りたいと申し出たそうです。
その主題歌「Carolina」は、主人公のカイアについて歌っている歌。
まだ、小説を読んでいる中盤ごろ、このテイラー・スイフトが映画「ザリガニの鳴くところ (原題:Where the Crawdads Sing)」のために書き下ろした「Carolina」を聴いた時、
正直、「なんでこんな暗い楽曲にしたのか、もっとカイアの美しさや、綺麗な心を映す歌があるのでは」、と感じて勝手に違和感を感じていたんですよね。
実際、「Carolina」は、かなり暗い音調で進む楽曲です。
しかし、最後の彼女の心の闇というか、孤独や一人で生きてきたことから作り上げられた精神を原作で感じられた時、このテイラー・スイフトが映画「ザリガニの鳴くところ」のために書き下ろした「Carolina」がぴったりな楽曲だなと、ストンと腑に落ちた気がしました。
以下、そんなテイラーの楽曲の一部「Carolina」です。
(和訳の表現は勝手な解釈です、悪しからず)
映画「ザリガニの鳴くところ 」主題歌〜「Carolina(キャロライナ)」 - Taylor Swift(テイラー・スイフト)〜
Oh, Carolina creeks running through my veins
カロライナの小川が私の静脈に流れている
Lost I was born, lonesome I came
迷い生まれて、ひとりぼっちになった
Lonesome I'll always stay
いつも孤独は私と一緒
Carolina knows why, for years, I roam
キャロライナは知ってる なぜ私が何年も放浪したのかを
Free as these birds, light as whispers
鳥のように自由に、そして囁くように軽やかに
Carolina knows
キャロライナは知っている
And you didn't see me here
そして、あなたはここであたしと出会わなかった
No, they never did see me here
そう、ここではだれにも見向きもされなかった
And she's in my dreams
そして、彼女はあたしの夢の中に
Into the mist, into the clouds
霧の中へ、雲の中へ
Don't leave
どうか置いていかないで
I make a fist, I'll make it count
拳を握って、そして今を大切にする
And there are places I will never, ever go
私には絶対に行かない場所がある
And things that only Carolina will ever know
そして、キャロライナだけが知っていること
Carolina stains on the dress she left
彼女が残したドレスのシミ
Indelible scars, pivotal marks
消えない傷跡、重要なマーク
Blue as the life she fled
彼女が逃げた人生のように蒼く
Carolina pines, won't you cover me?
キャロライナの木々は、私を守ってくれないのかな
Hide me like robes down the back road
裏通りのローブのように私を隠して
Muddy these webs we weave
あたしたちが織りなす糸は汚れている
And you didn't see me here
そして、あなたはここであたしと出会わなかった
Oh, they never did see me
そう、ここではだれにも見向きもされなかった
And she's in my dreams
そして、彼女は私の夢の中にいる
Into the mist, into the clouds
霧の中へ、雲の中へ
Don't leave
どうか置いていかないで
I make a fist, I'll make it count
拳を握って、それを大切にする
And there are places I will never, ever go
私には絶対に行かない場所がある
And things that only Carolina will ever know
キャロライナだけが知っていること
And you didn't see me here
そして、あなたはここであたしと出会わなかった
They never did see me here
ここではだれにも見向きもされなかった
No, you didn't see me here
そう、あなたはここで私と出会わなかった
They never saw me
ここではだれにも出会ったことがない
Oh, Carolina knows why for years they've said
ああ、キャロライナは知っている、なぜ何年も前からそう言われているのか
That I was guilty as sin and sleep in a liar's bed
嘘つきのベッドで寝ている犯罪者だと
But the sleep comes fast and I'll meet no ghosts
でも、眠りはすぐにやってきて、幽霊にも会うことはない
It's between me, the sand, and the sea
それは私と砂と海との間に
Carolina knows
キャロライナは知っている